受身をやめた日
昔から私は鬱になりやすかった。
もしくは、かなりの長期間(何十年も)鬱だった。
原因は、人間関係の築き方を
間違えていたからだと思う。
私は36年前、京都で
韓国人の父親と
日本人の母親のもとに生まれた。
母は、父の家族と同居しており
祖父母・父の兄と弟
父・母・私・弟の8人家族だった。
母以外は韓国人だったその家で
第一子の私は、とてもかわいがってもらった。
私が4歳半の時に弟が生まれた。
が、非常におじいちゃんっこだった私は
母が弟につきっきりでも平気で
赤ちゃん返りもしなかった気がする。
(なんとなく、記憶がある)
とにかく祖父母も伯父も叔父も
よく遊んでくれて、無邪気に毎日を楽しんでいた。
私が5歳になって少しして、母が離婚をした。
私と0歳の弟を連れて、家を出た。
そして母の兄を頼り、
兵庫県に引っ越して、母子寮に住みだした。
母は仕事と、弟の世話で手が一杯。
寮なので、洗濯やお風呂など共有。
まわりは知らない人ばかりになって、
なのに自分は誰にもかまってもらえなくなって
環境の変化についていけず、幼心にショックを受けた。
その頃に出した結論。
構ってほしければ、相手に好かれなきゃいけない。
弟の世話をしたら、お母さんは喜んでくれる。
だから、弟の世話をすることによって、居場所を作ろう。
その後も家を転々とし、
小学校に上がる前に母の実家の福岡県に引越し
小学校の間に兵庫県に戻ってきて更に京都へ移動。
なんと、小学校だけで4回も転校した。
学校を変わるたび、馴染むのが大変だった。
特に高学年になってくると、とても辛かった。
すでにクラスが出来上がっていて入っていけないから。
そこでも、いかにまわりに愛されるかを
考えていたと思う。
母親がこっちを向いてくれなくて
一生懸命気をひいた頃の考えそのままだった。
その後成人してからも、母が二度目の離婚をし
自分が働いたお金で家族が生活をする状況の中
だんだん疲れていって、大きな鬱になった。
(けれど、それまでもずっと軽い鬱だった気がする。)
ヘルマン・ヘッセのメルヘンに「アウグストゥス」という話が入っている。
つい最近これを読んで、なんて凄い話なんだろうと感動した。
アウグストゥスは主人公の少年の名前。
少年が生まれた時、お母さんは不思議なおじいさんから
子供に対する願いをひとつかなえてあげると言われ
迷ったあげく「誰からも愛される人に」と願う。
願いどおり少年を誰もが大事にしてくれた。
ちやほやされるのが当たり前になり、
主人公は、冷たく傲慢な人間になっていく。
誰もが彼に親切で、けれどその好意もうっとおしかった。
派手に遊んでみても心はどんどんすさんでいく。
自殺してみせて、まわりを驚かせてやろうと、思うぐらい追い詰められて、
死のうとしたその瞬間、不思議なおじいさんが現れた。
おじいさんに彼は、反対に「人々を愛せるようにしてください」と泣いて頼んだ。
その日から一変した。
誰もが彼の生活をののしり、ついに牢屋にも入れられた。
牢屋から出た頃には、歳もとり、醜くなっていた。
一杯の水を欲しがっても、冷たくされた。
けれど、主人公はそんな状況でも、誰もがいとおしく思えた。
だれもが自分の家族のように思えた。
世界をさすらいながら、不幸な人に尽くし、彼は幸せになった。
もう虚しくはなかった。
というのがあらすじ。
愛されなければ価値がないと思い込んでいた自分。
愛することで幸せになれたアウグストゥス。
私が鬱になった原因はこれだなと、痛感した。
人目が気になり、相手に気に入られる自分でいようと
相手にあわせることで、人間関係をつくろうとしていた。
けれど、世の中には色んな人がいる。
その全部の人にあわせることなんて、絶対無理!
そんな無理をしようとするから、がんじがらめになって
最後には自分の気持ちもよくわからなくなって
気力がなくなり、何もかも嫌になって、部屋から出れなくなった。
同居でもそう。
いい嫁でいなければいけない。
そう思いすぎて、夫の両親にあわせることばかり考えて
自分のしたいことも我慢して、不満だらけで愚痴ばかりだった。
けれど。
誰もに愛されるって、究極の受身だったと思う。
受身ってしんどい。人がかわるのを待たなきゃいけないから。
けど、自分が発信していく方にまわれたら、とても自由だ。
誰もに愛されなくても、誰もを愛することはできると思う。
人の気持ちを変えるより、自分の気持ちを変える方が簡単だから。
おとうさん、大好き!
おかあさん、大好き!
そういう気持ちを心の中心におきつつ
自分の好きなこともしている。
不機嫌になったって構わない。
だって、私は大好きなんだもん!(笑)
今まわりにいてくれる人たちは大切にしていきたいと思う。
それは自分が好かれるためじゃなくって、相手のことが大好きだからだ!
そう、大好きだから!
なので、この夏は色んな人に積極的に連絡を取っている。
本当に申し訳ないくらいご無沙汰な人ばかりで
(声を聞くのは10年ぶりなんてザラ・・・(汗))
でも年賀状のやりとりや、たまのメールや、ミクシイや
なんやかんやで、かろうじて、繋がってくれてた有難い友達。
自分から行動を起こすということは、勇気がいる。
勇気がいるけど、自分で動けば自由自在。
自分が愛する分には、自由!
私に愛された方、ごめんなさい(笑)
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