新婚旅行 その1
<失敗だらけの出発>
朝7時50分に、ホテルから関空まで送迎バスが出る。
送迎バス自体は何本もでるんだけど、8時20分関空集合に間に合う為には
その便に乗り遅れたら後がない。
あたふたと朝の支度をすませていて、ふと気づく。
鞄の中にホテルのキーが入っている・・・。
透明の四角い長方形の棒の先に鎖でつながれた鍵がくっついている
まことにオーソドックスなホテルのキー。
ここのホテルはカードキー。
・・・さて?(笑)
すぐさま式場のホテルに電話をして、新婦控室の鍵を返し忘れたことを謝罪(汗)
当日は、新郎控室、自分たちが泊まったツイン、家族が泊まったシングル×2で、
沢山の鍵を管理してた上に、新婦控室は業者の人が出入りしていたため、
うっかり自分が鍵を預かっているということが頭から飛んでいた・・・。
あー、こんな失敗初めて(汗)←まあ、式もはじめてだし
ホテル側もなんの注意もしてくれなかったので、お互いうっかりの両成敗ってことで。
ただでも時間がなくて朝食抜きなのに(機内食でるけど)
更にフロントで宅急便を送ってもらう手はずが増えて、あわてまくる。
とりあえず私が先に部屋をでてフロントで宅急便の手続きしてる間に
荷物を詰めて二人分の荷物を持って降りてきて!と伝え
夫にチェックアウトの手続きまでを任せる。
ロビーへあたふたとかけより、鍵を送りたいと伝えると、てきぱきと
梱包作業をしてくれるお姉さん。
元払いですね?とそれ用の宛名カードをくれるので、きっぱりと
「着払いです」と、伝える。
一瞬「え?」という表情をするお姉さん。
いいのよ。着払いで。いままで大変だった分、これくらい負担して貰っても
罰当たらないよきっと。
と、自分のミスを棚にあげて堂々と着払いで処理をすませた。
チェックアウトの手続きを終えた夫が、スーツケース二つを
送迎バスの方に運ぶのを手伝おうとして、ふと気づく。
私、部屋ばきのスリッパのままだ・・・。
もう、チェックアウトの手続きを終えている。ということは
ここの鍵は返してしまっている。
バスがでるまであと数分。
あーーーー。動揺しすぎて、普段しないようなミス連発だー。
無事靴を履いて(笑)満員のシャトルバスにのりこみ、いざ空港へ。
無料送迎つき、旅行中の駐車場での自家用車預かりつき、で、
とてもお得なホテルだ。
帰りにこのバスに乗るときは、どういう気分でいるのかな?
不安と期待の旅はスタートした。
<空港到着>
はじめての空港はとても広くてびっくりした。
とりあえず集合場所を館内の地図で探す。
今回の一番の興味は(?)他の参加者がいるのかどうかということだった。
最低遂行人数が2名のため、二人っきりでも出発はしてくれる。
それだけに、他に参加者があるのかどうかが全く分からず
最初から最後まで二人っきりだったら、さみしいねえ、と、夫とも何度も交わした話題。
今回のツアーは現地係員のため、日本出発の空港から添乗員がつくわけではない。
だけど、チケット等を貰わないといけないので、集合場所にいけば添乗員さんや
他の参加者がいるのだと、勝手に私はそう考えていた。
きょろきょろしながら集合のブースへ。
はじめて押すスーツケースになれず、夫の後を追ってぎこちなく
JALの受付カウンターへ歩み寄る。
チケットに間違いがないか確認をして、必要な書類を受付のお姉さんに貰う。
お姉さんは北京についたら現地係員を探すように念を押す。
そして必要な手続きは終わった。
え?これだけ?
私達の参加してる旅行会社の人とかいて、どういう順序で飛行機に乗っておりるかとか
現金の換金とか、色々世話やいてくれないの?
と、きょろきょろするが、終わりなものは終わり。
あとは自力で北京まで移動しなければ行けないということは確かだった。
夫は何度か海外の経験がある。
だから、後の段取りは全部夫に任せたらよかったのだけど
これが私だけの一人旅とかだったら、この後どうしたらいいか途方にくれただろうなーと
ちょっとゾッとした。
だって、国内線すら乗ったこともなかったんだもんな。
何をどうしたらいいかさっぱり・・・。
そして参加者が何名かは、現地までのお楽しみとなった。
<空港出発準備>
とりあえず出国手続きまで時間に余裕があるので、腹ごしらえをすることに。
お好み焼きの「ぼてじゅう」に入る。
空港価格だからか、どの店も、モーニングの価格がとても高い。
パンとコーヒーとサラダ程度で800円とか。
朝食後、一度家に電話を入れることを夫に勧める。
これから一週間は電波がとどかなくなるため、中国で危ない目にあってなかろうかと
姑さんが心配するのは目に見えている。
これから飛行機に乗るよ。と声を聞かせてあげれば、
少しは心配する気持ちもましだろう。
夫はいつも、私がそうやって連絡をすすめると、めんどうがるんだけど
(私にはいつもこまめに連絡してくれるんだけどな)
そのときは素直にかけてくれた。
(ちなみに前夜も関空についた時点で、無事関空についたしと電話をかけてもらった
夜から出発して、疲れた身体で3時間以上運転するので、かなり心配してるだろうと思ったから。
電話を入れた後、夫は電話しておいて正解だったと言った)
姑さんが私に電話を変わってくれと言っていると、夫に携帯を渡される。
あんまりそういうことがないために、一瞬、な?なに??と身構えたが
電話の向こうで、「昨日は1日お疲れ様やったね」と、ねぎらってくれた。
そういうのも初めてだったため、凄く嬉しくなる。
姑さんも、式が無事終わってホッとしたんだなあと思った。
その後、とりあえず「円」から「元」に換金しようと銀行へ。
ところが、「元」を取り扱っている銀行が一箇所しかないうえに
どこの銀行もむっちゃこんでる。
まあ、関空で換金すると手数料が高いらしいし、現地でいっか、と
出国手続きにうつることにした。
鞄をエックス線に通したり、金属探知機のゲートをくぐったりして出国完了。
夫は指輪が探知機に反応したらしい。
はじめてのことばかりで、自分が悪いことでもしているようにびくびくしてしまった。
出国手続きがおわるとそこは、日本にある日本じゃない場所。
建物の壁面の大きな窓の向こうに飛行機が見える。
おー、あれが飛行機か!でかい!
京都市内の空は、飛行機の通過ルートからはずれているため
飛行機を見ること自体めずらしくて面白い。
あんなもの絶対空に浮かばねえ!浮かぶわけねえ!とふつふつと感じ
夫に訴えるが、笑われるだけで相手にされない(当り前だ
思ってたよりもずっとでかいんだなー、飛行機のやつは。
<空港脱出>
免税店でタバコを買う夫。
私にも何か買ったら?と進めてくれる。
でも、飛行機に乗る前に手荷物がふえると、邪魔になるから嫌だなと少し思うが
免税店で買物という行為自体に、興味を惹かれ結局ブランド物を買うことに(笑)
ほんまに安いんやねえ。
飛行機に乗るための電車に乗り、自分たちのゲート前に到着。
いよいよ飛行機に乗り込む瞬間が間近に!
一番最初はファーストクラスとビジネスクラスの人からなんて知らず
飛行機に乗るための受付が空いた瞬間に、いざ!とつっこみかけて
フライングで減点10点。
あー、はずかし。
もとの待合席に戻るのも恥ずかしく、中途半端な場所で立って待つことに。
余計注目あびて恥ずかしいよ!
いよいよ全員のお客様と呼ばれ、飛行機に乗るためのチューブみたいなトンネルをくぐる。
飛行機に乗り込むと入り口付近に山積みになっている新聞をみんな取って行く。
私もとろうかどうしようか迷ってる間に通り過ぎてしまった。
夫はちゃっかりスポーツ新聞を手にしている。
私も欲しかったんだけど、人数に対して絶対数があきらかに足りてなさそうだったから
あとで取りに行ってもなくなってるんだろうなと、若干へこむ。
手荷物を上の入れ物にしまいこみ、窓側にちゃっかり座る。
飛行機の窓って小さい。
通路側の夫の席からは、私が邪魔で外の景色はよく見えないみたい。
私がもっと細かったら見えただろうに。ごめんよ。
でも席は変わらない。
シートベルトをして、飛行機初心者用の安全説明のビデオを見て
いざ、飛行機が動き出した。
もう、降りれないんだなと思うと若干パニックになってきて
夫に「やっぱり降りる」と訴えてみたり。
その言葉に夫は慌てていた。(当り前か
もし飛行機が落ちて死んじゃうなら、すぐに気絶して
わけもわからないうちに、苦しむまもなく即死がいい。
そんなことを考えて、心の準備をしていると
加速した飛行機がぐわっと空に浮かび上がった。
おちるー、おちるー、おちるー
飛行機はぐんぐん上昇する。
窓の外の景色がものすごいことに。
下の関空がものすごくちっこくなっていく。
空は曇っていたのに、雲の上につきぬけると
日差しがとてもきつく、空は一面真っ青に。
いつのまにか足下にしきつめられていた、まっしろのじゅうたん。
ふわふわだ。
この上をかけめぐって遊べたのび太がうらやましい。
のび太のくせにずるい!←錯乱気味。
<現在飛行中>
しばらくして飛行機の揺れが安定してくると、みんな映画を見たり、
新聞を読んだりしはじめた。
夫がスポーツ新聞を読み始めたので、私も新聞読みたいと訴えると
乗務員さんにお願いしてくれて、入手することが出来た。
絶対もう新聞残ってないと思ったのに、意外に沢山おいてあるんだなあ。
さすが飛行機!
夫がJALは贅沢だなあと言う。
何が贅沢かというと、各席に一つづつ好きにみれるテレビがついていて
映画をみたり、音楽を聞いたり、飛行機の外の景色をカメラ撮影してる奴がみれたり
ゲームまでできるから。
今まで乗った飛行機は、各自一つなんて与えられてなかったと、しきりに感心していた。
なにもかもはじめてでよくわからない私は、ふーんとしかいいようがなく
せっかくなので、映画をみることにした。
しばらくして、機内食がやってきた。
「ティッキン・オア・ビーッフ??」って聞いてくれるのを楽しみにしていたが
みんな同じ内容で選択の余地すらなかった。
しかも日本の飛行機でそんな問いかけはありえないだろう。
ちょっとがっかり。
機内食のお味はまあまあ。
2時間ほど前に遅い朝食をとったばかりだったのに、全部綺麗にたいらげる。
映画を見ながら機内食を食べ、外の景色は真っ青な空と白い雲の地面。
となりには夫がいて、「ああ、新婚旅行をしてるんだなあー」と
しみじみ感じて嬉しくなった。(結構、形から入るタイプ?
今日の目的地は西安。
北京で一度おりて、国内線に乗り換え、西安まで更に90分のフライトをするらしい。
その北京までは片道3時間だ。結構近い。
時差は1時間。中国全土の時差はないらしい。デカイのに凄い。
今日はとりあえずホテルにつくだけで終わりなので、他に観光もない。
ある意味ゆったりしたスケジュールで、疲れた身体にはありがたかった。
オレンジジュースを二回おかわりして、ホッとコーヒーも貰って
トイレに1回、映画を全部見終わって、無事北京空港に着陸することになった。
着陸する飛行機はとても怖かった。
物凄く揺れた揺れた揺れた。
普段からジェットコースターとか、浮遊感が苦手で嫌いなのに
お尻がなんどもぶわっと浮かんで、背筋がぞくっとする。
しまいに車輪が地面についた瞬間に、凄い衝撃で夫の肩にガンガン頭をぶつけた。
これに今日だけでも、もう一回乗るのか・・・。
前途がとてつもなく不安になった。
<とりあえず北京>
北京空港につくと、全てが中国語だらけになった。(当り前
途中で文字を書くのを放棄したとしか思えないような、漢字が続出。
広いって言う字の中のムの部分がない外側だけの奴とか。
開っていう字の中の鳥居みたいな部分だけの奴とか。
案内板は、漢字と英語。
両方見ると、かなり意味がわかるので非常に助かる。
(英語が知らない単語でも、漢字の方で察せるときも沢山あったし逆もあった)
入国手続きの書類が揃ってなくて(よくわからなかった)
入国の窓口で、片手で軽く追い払われる。
長い間順番待って待ってして、それかよ!と思ったが
なんせ相手は中国語、何をどうしたらいいのかの説明も聞けないし
もたつきながらも、勘で処理していくしかない。
ツアーでありながら、二人旅をしている気分。
10分後再びゲートを通過すべくチャレンジすると、
40もあった入国用のゲートは1つきりになっていた。
あとは全部クローズ。
なんとなくしょぼーん。
どうにか出国してスーツケースも回収する。
現地係員の人もみつけ、かけよると、李さんという中国人男性だった。
とても日本語が上手い。
入国のゲートで泣きをみただけに、砂漠でみつけたオアシスのような気持ちになる。
李さんは、次の西安行きの飛行機受付時間まで、
2時間ほどあるんだけど、どうしますか?と聞いてくる。
とりあえず換金をしたい旨を伝えると、一緒に銀行窓口についてきて
段取りをしてくださった。
換金手数料もとられなかったように思う。中国で換金で正解だったかも。
その後李さんは、自分がここでスーツケースを見ておいてあげるから
お土産やさんとかのぞいてきますか?と聞いてくださる。
いいのだろうか?と思いつつ、お願いして、空港内を散歩。
しかしやっぱり李さんが気になる。
遠目から李さんを探すと、本当にその場に立ったまま、1ミリたりとも移動せず
手持ちの本を読んでらした。
夫が李さんを誘って喫茶店でもいかないか?というので、即賛成。
ところが誘っても、場所だけ説明して、
自分はここで待ってるから、楽しんできてという。
会社の規約とかあるのかもしれないし、あんまり無理じいもできないので
なんだか申し訳ない気持ちのまま、好意に甘えて二人でお茶に行くことに。
よく考えたら、中国のお店に二人っきりで入ることになる。
本当に大丈夫なのか?不安で一杯になりながら、みつけた喫茶店のドアをくぐった。
<はじめてのお店>
そこは純喫茶という名前がぴったりくるような、昔懐かしいたたずまいの喫茶店だった。
中国ではコーヒーを飲むという習慣がまだまだないらしい。
だから立ち話もなんだしお茶でもと思っても、お店が圧倒的に少ないため
ホテルの喫茶などを利用することになり、とても高くつくと、のちのガイドさんは言っていた。
結構狭いスペースに、沢山のテーブルとイスがならんでいて、
お客さんで満員だ。
入り口で一瞬ためらったが、がんばって店内に足を踏み入れてみる。
チャイナではなく洋装のウエイトレスさんが出てくる。
薦めてくれたテーブルについて、手元のメニューを眺めると、
中国語の横に英語も乗っていて一安心。
えっと、コーヒーはこれだな。
げ、35元!二人で70元!!
1元は13円だから、二人で910円!
日本のホテルで飲むコーヒーなみじゃないか!
驚きつつ、メニューを指差し、チョキをしてみせて対応。
すると店員さんが何事か聞いてくる。
日本語で問い返すと、今度は英語で聞いてくれた。
だけどやっぱり早口で聞き取れない。
考えろ。考えるんだ。
勘を働かせろ!
コーヒー頼んで聞くことがあるとすれば、ミルクか砂糖だろ。
砂糖はテーブルにあるから、ミルクだな。
と思ってよく聞くと、何事か喋った後にウィズミルク?と言っているのが分かった。
夫はというと、なまじっか英語を聞き取ろうとして、
早口の英語に対して何度も聞き返している。
ブラックかどうか聞いてるんだよ。と通訳すると、納得していた。
ミルクはいらないと伝えると彼女は下がっていった。
ところが彼女が再びやってきて何か言っている。
なんだ?なんだ?
と再び臨戦体勢。
夫はやはり聞き取りにくい言葉に、え?と何度も聞き返す。
しかし今度は余裕。考えなくてもわかる。
注文したんだから、お勘定だろう。
彼女はメニューを指差している。
この値段の金をくれと言っているに違いない。
100元札を渡すと、彼女は「そうそうそれよ」といわんばかりに
納得した顔で、また下がっていった。
彼女がひっこんだまま戻ってこないので、
夫は「おつりは?」と心配そう。
「今、持ってくるよ。」
と、なだめてると、案の定30元のお釣りを持ってきてくれた。
結構、なんとかなるもんだな。
しばらくしたら、コーヒーもきた。
後は好きに店を出て行ったらいいだけだろう。
そう思うと、ホッとした。
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